2026年8月15日


大きないびきや日中の眠気は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。
SASは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。
この状態を放置すると、体に深刻なダメージが蓄積し、高血圧や心筋梗塞、脳卒中といった命に関わる病気のリスクを高めることがわかっています。
この記事では、睡眠時無呼吸症候群を放置した場合の危険性や合併症、そして適切な検査・治療法について詳しく解説します。

この記事でわかること
・ 放置で高まる心筋梗塞や脳卒中など深刻な病気のリスク
・ 交通事故や集中力低下など、日常生活に潜む危険性
・ 睡眠中の「低酸素状態」が重大な病気を引き起こす根本的なメカニズム
・ 症状の重症度や原因に応じた適切な検査・治療の流れ
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は「ただのいびき」ではありません
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、単なる大きないびきとは異なります。
いびきは空気の通り道である気道が狭くなって粘膜が振動する音ですが、SASではこの気道が完全に塞がれてしまい、一時的に呼吸が止まる「無呼吸」の状態が繰り返されます。
この無呼吸によって体は深刻な酸素不足に陥り、眠っているつもりでも脳や体は十分に休めていません。
その結果、心臓や血管に大きな負担がかかり、さまざまな健康問題を引き起こす原因となります。
睡眠時無呼吸症候群を放置した場合に起こりうる深刻な合併症
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治療せずに放置すると、慢性的な酸素不足と睡眠不足により、全身のさまざまな臓器に負担がかかります。
その結果、健康に重大な影響を及ぼすような生活習慣病を引き起こすリスクが著しく高まります。
特に、循環器系や代謝系への影響は大きく、気づかないうちに病気が進行しているケースも少なくありません。
ここでは、SASが引き起こす代表的な合併症について解説します。

高血圧の発症リスクが約2倍に高まる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置すると、高血圧になるリスクが健常な人に比べて約2倍に高まると報告されています。
睡眠中に呼吸が止まると、体は酸素不足を補おうとして心拍数を上げ、交感神経を興奮させます。
この状態が毎晩繰り返されることで血管が収縮し、日中の血圧も高いまま維持されるようになります。
降圧剤を飲んでも血圧が下がりにくい方の中には、SASが隠れている場合があります。
心筋梗塞や不整脈など心臓への負担が増加する
睡眠中の無呼吸による低酸素状態は、心臓に大きな負担をかけます。
酸素不足を補うために心臓はより多くの血液を送り出そうと働き、心拍数が急上昇します。
このような状態が長く続くと、心臓の筋肉が疲弊し、心筋梗塞や狭心症、心不全のリスクが高まります。
また、夜間に突然死を引き起こす可能性のある致死性の不整脈も、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さまで起こりやすいことが知られています。
脳卒中(脳梗塞・脳出血)を引き起こす危険性
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、脳卒中のリスクも高めます。
無呼吸による血圧の急激な上昇や変動は、脳の血管に大きなダメージを与えます。
血管が傷ついたり、血栓(血のかたまり)ができやすくなったりすることで、脳の血管が詰まる「脳梗塞」や、血管が破れる「脳出血」を引き起こす危険性が増大します。
特に、夜間や早朝に脳卒中が起こりやすいとされています。
インスリンの働きを妨げ糖尿病を悪化させる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、糖尿病の発症や悪化にも深く関わっています。
睡眠中の低酸素状態や睡眠の質の低下は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きを悪くすることがわかっています。
これにより血糖値のコントロールが難しくなり、糖尿病を発症しやすくなったり、すでに糖尿病の方が治療をしてもなかなか改善しなかったりする原因となります。
なぜ無呼吸の状態が重大な病気を引き起こすのか

睡眠中に無呼吸状態になると、体内の酸素濃度が低下します。
すると、体は生命の危機と判断し、少ない酸素を全身に届けようと心拍数を上げ、血圧を急上昇させます。
同時に、脳が「呼吸が止まっている」と覚醒するため、深い睡眠が妨げられます。
この「低酸素状態」と「睡眠の中断」が毎晩何十回、何百回と繰り返されることが、血管や心臓、脳に継続的なストレスを与え、高血圧や心疾患、脳卒中といった重大な病気を引き起こす根本的な原因です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、まさに眠っている間に体を蝕んでいく病気といえます。
身体への影響だけではない|日常生活に潜む深刻なリスク
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の影響は、将来的な病気のリスクだけにとどまりません。
睡眠の質が著しく低下することにより、日中の活動にもさまざまな深刻な影響を及ぼします。
集中力の低下や強い眠気は、仕事のパフォーマンスを落とすだけでなく、社会生活における重大な事故につながる可能性もはらんでいます。
ここでは、SASが日常生活に及ぼすリスクについて解説します。
日中の耐えがたい眠気による集中力の低下
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さまは、夜間に十分な睡眠がとれていないため、日中に強い眠気や倦怠感を感じることが多くあります。
会議中や運転中など、本来であれば集中すべき場面で居眠りをしてしまうことも少なくありません。
また、眠気だけでなく、記憶力や集中力、判断力も低下するため、仕事上のミスが増えたり、学業成績が低下したりするなど、社会生活に大きな支障をきたす原因となります。
居眠り運転による重大な交通事故の危険
日中の強い眠気は、特に自動車の運転において極めて危険です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さまは、健常な人と比べて交通事故を起こすリスクが数倍高いという報告もあります。
自分では気づかないうちに一瞬眠りに落ちてしまう「マイクロスリープ」が原因で、重大な人身事故につながるケースも後を絶ちません。
職業ドライバーだけでなく、日常的に車を運転する方にとって、SASの放置は決して許されないリスクです。
気分の落ち込みやうつ状態を招くことも
睡眠時無呼吸症候群(SAS)による慢性的な睡眠不足と身体的ストレスは、精神面にも悪影響を及ぼします。
十分な休息がとれないことで、自律神経のバランスが乱れ、気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ感などを引き起こしやすくなります。
実際に、SASの患者さまはうつ病を併発する割合が高いことが知られており、精神的な健康を維持するためにも、SASの適切な治療は非常に重要です。
もしかしてと思ったら|長久手市で受けられるSASの検査と治療
「大きないびきを指摘された」「日中の眠気がひどい」「朝起きても疲れが取れていない」といった症状に心当たりがある場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。
放置すれば深刻な事態を招きかねませんが、適切な検査と治療によってリスクを管理することが可能です。
長久手市にある当院では、SASの診断から治療まで一貫して対応しておりますので、少しでも気になる症状があれば、まずは一度ご相談ください。

まずは自宅でできる簡易検査で睡眠状態をチェック
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる場合、まずはご自宅で簡単にできる簡易検査を行います。
これは、手の指や鼻に小さなセンサーを取り付けて一晩眠るだけで、睡眠中の呼吸の状態や血液中の酸素濃度を測定できる検査です。

入院の必要はなく、普段通りの生活の中で検査を受けられます。
この結果をもとに、無呼吸の重症度を判定し、治療が必要かどうかを判断します。
重症度に応じた治療法|CPAP(シーパップ)療法とは
検査の結果、中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された場合に、最も標準的な治療法となるのが「CPAP(シーパップ)療法」です。

これは、鼻に装着したマスクから空気を送り込み、睡眠中に気道が塞がらないようにする治療法です。
CPAPを使用することで、睡眠中の無呼吸やいびきがなくなり、睡眠の質が劇的に改善します。
その結果、日中の眠気が解消され、合併症のリスクを大幅に下げることが期待できます。
鼻づまりなど原因に応じた耳鼻咽喉科ならではの治療
睡眠時無呼吸症候群(SAS)やいびきの原因は、肥満だけでなく、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による鼻づまり、扁桃肥大やアデノイドといった鼻やのどの病気が関係していることも少なくありません。
耳鼻咽喉科では、これらの気道を狭くする原因を特定し、投薬や手術などの治療を行うことで、いびきや無呼吸の症状を根本から改善できる場合があります。
CPAP治療と並行して鼻の治療を行うことで、より快適に治療を継続することにもつながります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の放置に関するよくある質問
ここでは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置することに関して、患者さまからよく寄せられる質問とその回答をご紹介します。
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、寿命はどのくらい縮まりますか?
重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)を未治療で放置した場合、心筋梗塞や脳卒中などにより、10年後の生存率が健常者より約15%低下するという海外の研究報告があります。
寿命が具体的に何年縮まるという断定はできませんが、命に関わる病気のリスクが著しく高まることは明らかです。
大きないびき以外に、どんな症状があれば受診を考えるべきですか?
日中の耐えがたい眠気、起床時の頭痛や口の渇き、夜中に何度もトイレに起きる、集中力の低下などが挙げられます。
ご家族から「寝ている時に呼吸が止まっている」と指摘された場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性が非常に高いため、大きないびきがなくても受診をおすすめします。
CPAP治療を始めれば、合併症になるリスクはなくなりますか?
CPAP治療を適切に継続することで、睡眠中の無呼吸や低酸素状態が改善され、高血圧や心臓への負担が軽減します。
これにより、将来的な心筋梗塞や脳卒中といった合併症のリスクを、健常な人と同程度まで下げられることが多くの研究で示されています。
治療を続けることが非常に重要です。

ごとう耳鼻咽喉科クリニックの強み
日本耳鼻咽喉科学会認定の専門医による適切な診断
睡眠時無呼吸症候群(SAS)やいびきの原因は多岐にわたります。
当院では、日本耳鼻咽喉科学会が認定する専門医が診察にあたります。
豊富な知識と経験に基づき、患者さま一人ひとりの症状や鼻・のどの状態を丁寧に診察し、無呼吸の原因を的確に診断します。
その上で、生活習慣の指導からCPAP療法、鼻の治療まで、最適な治療方針をご提案します。
鼻やのどの状態を詳しく調べるためのCT・内視鏡を完備
いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因を正確に特定するためには、空気の通り道である鼻からのど(上気道)の状態を詳しく調べることが重要です。
当院では、副鼻腔CTや内視鏡(ファイバー)といった専門的な検査設備を完備しています。

これにより、鼻中隔湾曲症や鼻ポリープ(鼻茸)、アデノイド肥大など、気道を狭くしている物理的な原因の有無を詳細に確認し、的確な治療につなげます。

WEB予約システムで待ち時間を短縮しスムーズに受診可能
「日中の眠気でつらいけれど、病院に行く時間がない」とお悩みの方も少なくないでしょう。
当院では、患者さまの負担を少しでも軽減できるよう、WEB予約システムを導入しています。
スマートフォンやパソコンから事前に順番取りをすることで、院内での待ち時間を短縮し、スムーズに診察を受けていただくことが可能です。
いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)のことでお悩みの方は、ぜひお気軽にご利用ください。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、「ただのいびき」と軽視して放置すると、高血圧や心筋梗塞、脳卒中といった深刻な病気を引き起こすリスクのある状態です。
また、日中の強い眠気は、交通事故や労働災害のリスクを高め、生活の質を著しく低下させます。
しかし、SASは適切な検査と治療によってコントロールすることが可能な病気です。
ご家族から大きないびきや呼吸の停止を指摘された方、日中の眠気でお困りの方は、自己判断で放置せず、ぜひ一度専門医にご相談ください。
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