副鼻腔炎の病態

鼻の奥には「副鼻腔」という空洞があり、ふだんは空気が通り、粘液が鼻へ流れ出るしくみです。風邪のウイルスや細菌、花粉・ダニなどのアレルギーで粘膜が腫れると、出口がせまくなって粘液がたまり、炎症（＝副鼻腔炎）が起きます。
短期間で治るものを急性副鼻腔炎、3ヶ月以上続いたり繰り返すものを慢性副鼻腔炎と言います。においの低下や、のどに流れる鼻水（後鼻漏）が咳やだるさの原因になることもあります。

副鼻腔炎の症状

• 黄色〜緑色の鼻水、ねばつき・においの悪化
• 鼻づまり、口呼吸、鼻声
• 頬・目のまわり・おでこの重だるさや痛み、頭痛、歯痛様の痛み
• においが分かりにくい（嗅覚低下）
• のどに鼻水が落ちる（後鼻漏）→ 咳・痰・声のかすれ
• 発熱、全身のだるさ（急性期でみられることあり）

副鼻腔炎の主な病気（タイプ）

まとめ（診断と治療の流れ）

診断

問診・診察にくわえ、必要に応じて副鼻腔レントゲン、内視鏡検査、CTなどで炎症の場所と程度を確認します。

治療

1. 鼻洗浄・加湿・十分な睡眠などの基本ケア
   ※ただし急性副鼻腔炎の場合は、鼻洗浄によって鼻水が耳へ逆流し、中耳炎を起こす可能性があるため注意が必要です。
2. 点鼻ステロイドや抗アレルギー薬で腫れを抑える
3. 細菌感染が疑われる急性期は抗菌薬を検討
4. 慢性・再発例は長期管理（点鼻薬・洗浄の継続、体質に合わせた治療）
5. 症状が強い／改善が乏しい場合は内視鏡下副鼻腔手術を検討

受診の目安

• 鼻づまり・濃い鼻水が10日以上続く／悪化してくる
• 顔の痛み・におい低下がつづく
• 咳やだるさが長引き、生活に支障が出ている

早めの治療で慢性化や嗅覚低下を防ぎやすくなります。気になる症状があれば、遠慮なくご相談ください。